膵臓がんの余命や生存率はどれくらい?ステージ別に解説
膵臓がんは初期の段階では症状がないことが多く、発見時に余命宣告をされるケースも少なくありません。余命の指標となるのは「生存率」です。
本記事では、サバイバー生存率やステージ別の5年生存率、ステージの詳細、末期症状などについて解説します。
目次
膵臓がんの余命は?

膵臓がんは症状が出にくく、無症状でがんが発見されるのは15%程度とされています(日本膵臓学会誌第23巻第2号より)。そのため、がんの発見と同時に余命宣告されるケースもあります。
膵臓がんの余命の指標として「生存率」がありますが、ステージ別の生存率については後述します。なお、「生存率」はあくまで統計であり、患者ひとりひとりの余命を決定づけるものではありません。
膵臓がんの死亡数は、部位別で比較すると、男性で4位、女性で3位。がん年齢調整死亡率年次推移|部位別(1958年~2020年)の統計をみると、膵臓がんは近年増加傾向にあります。
また、診断から一定の年数を経た後に生存している人のその後の生存率を表す「サバイバー生存率」という指標もあります。例として、3年サバイバーの次の1年生存率は、がんと診断された後3年生存した人のその後1年まで(診断後4年)を生存する確率を示します。
一般的にはサバイバー生存率は、診断されてからの年数が経過するにつれ上昇する傾向があり、膵臓がんの場合、5年サバイバーの生存率は約80%。1年サバイバーからの上昇率も高くなっています。
このことから、膵臓がんはサバイバー期間が長くなるほど生存率が高くなるともいえるでしょう。
出典:
膵癌登録報告 2007 ダイジェスト|日本膵臓学会
がん種別統計情報 膵臓|国立研究開発法人 国立がん研究センター
がんの統計 2022|公益財団法人 がん研究振興財団
膵臓がんのステージと生存率

膵臓がんのステージは0期~IV期に分類されています。各ステージの状態と5年生存率について解説します。(各ステージの状態は、「膵癌取扱い規約(日本膵臓学会編)」を参照)
ステージ0期
膵臓がんのステージ0期は早期とされ、がんが膵管の上皮内にとどまっている状態を示します。
ステージI期
膵臓がんのステージI期は、IA期とIB期の2つに分類されます。
IA期
がんの大きさが2cm以下で膵臓内に限局している、かつリンパ節への転移なし。
IB期
がんの大きさが2cmを超えているが膵臓内に限局している、かつリンパ節への転移なし。
5年生存率は49.5%~54.1%とされています。
ステージII期
膵臓がんのステージII期も、IIA期とIIB期の2つに分類されます。
IIA期
がんが膵臓外に進展しているが、腹腔動脈や上腸間膜動脈に及ばない、かつリンパ節への転移なし。
IIB期
がんが膵臓外に進展しているが、腹腔動脈や上腸間膜動脈に及ばない、かつリンパ節への転移あり。
5年生存率は21.9%~23.8%とされています。
ステージIII期
膵臓がんのステージIII期は、リンパ節転移の有無にかかわらず、がんが腹腔動脈もしくは上腸間膜動脈へ及ぶ状態です。
5年生存率は6.0%~7.7%とされています。
ステージIV期
膵臓がんのステージIV期は、がんの浸潤度合いやリンパ節転移の有無にかかわらず、他臓器などへの転移がある状態です。
5年生存率は1.2%~1.6%とされています。
※5年生存率は、他の病気等による死亡を除いた生存率である「相対生存率」で記載しています。
出典:膵臓がん 2013-2014年5年生存率|国立研究開発法人 国立がん研究センター
膵臓がんの特徴や症状

ここでは、膵臓がんの特徴や症状について解説します。
膵臓がんの特徴
膵臓は胃の後ろにある臓器で、十二指腸に囲まれています。膵臓がんの多くは、膵管の細胞から発生します。症状が出にくいことや、身体の深い場所にある臓器であるため、見つけにくいがんとされていることが特徴のひとつです。
膵臓がんは、消化酵素の分泌系である「外分泌系」が95%を占めます。また、発症は稀ですが、粘液産生膵がんという比較的生存率や予後が良いがんもあります。
膵臓がんの症状
膵臓がんは初期症状に乏しいことは先述しましたが、進行してくると、以下のような症状がみられます。
- ・黄疸
- ・上腹部痛
- ・食欲不振
- ・腹部膨満感
- ・腰、背中の痛み
- ・体重減少 など
がんができた場所によっても症状に特徴があり、膵頭部上部にできたがんの場合は黄疸、膵頭部中央は黄疸・腹痛、膵頭部下部は腹痛、膵体部と膵尾部は腹痛と背中の痛みが主な症状です。
そのほか、急な糖尿病の発症や悪化をきっかけに、膵臓がんが見つかるケースもあります。
膵臓がんの症状について詳しくお知りになりたい方は、こちらからお電話ください。
膵臓がんの原因とされるもの

膵臓がんの発生要因として考えられているものは、以下のとおりです。
- ・糖尿病、慢性膵炎、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の罹患者
- ・喫煙
- ・血縁者で膵臓がんになった人がいる など
膵臓がんの予防

がん全般の予防にはなりますが、科学的根拠に根差した「日本人のためのがん予防法」というガイドラインが提唱されています。(国立がん研究センターをはじめとした研究グループによる)
同ガイドラインでは、予防に重要な6つの要素として「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」「感染」を挙げています。「感染」以外は生活習慣に基づくものとして、5つの健康習慣を実践した場合、0~1つを実践した場合と比べて、男性で43%、女性で37%、がんになるリスクが低下するという推計結果も出ています。
特に膵臓がんの場合、糖尿病や慢性膵炎、喫煙など、生活習慣と密接にかかわるものが発生リスクと考えられているため、生活習慣の改善が予防に有効といえるでしょう。
出典:日本人のためのがん予防法|国立研究開発法人 国立がん研究センター 予防研究グループ
家族が膵臓がんで余命宣告されたら

早期発見が困難で予後不良とされている、膵臓がん。発見と同時に余命宣告されるケースもありますが、家族が余命宣告をされた場合どうすれば良いのでしょうか。
先述したように、膵臓がんの末期症状としては、食欲低下や体重減少などがみられます。特に余命1ヶ月くらいになると飲み込む力が弱まってくるので、とろみのあるものを食べさせるのが良いとされています。
また、体重減少により筋力も衰えてくるため、訪問看護や介護サービスを利用するのも良いでしょう。
余命僅かになると、せん妄・意識障害が出ることがあるので、話したいことはきちんと話し、会いたい人にも会わせておくなどの配慮も必要です。また、家族が気を付けたい点として、がんに関する情報とうまく付き合うことや、家族自身も自分を大切にすることが挙げられます。

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