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子宮がんの初期症状とは?子宮体がんと子宮頸がんの違いやHPVワクチンについても解説

女性にとって気になる子宮がん。どのような初期症状があるのか気になりますが、子宮体がんと子宮頸がんでは、症状や特徴が異なります。

本記事では、子宮体がんと子宮頸がんそれぞれについて、症状や特徴、検査方法、予防法などを解説します。

目次

子宮がんとは

子宮がんとは

子宮がんは、発生する場所により「子宮体がん」と「子宮頸がん」に分かれます。子宮体がんは子宮体部にできるがん、子宮頸がんは子宮頸部にできるがんです。それぞれ特徴が異なりますので、分けて解説します。

子宮体がん

子宮の上部、袋状になっている部分を「子宮体部」といいます。子宮体部にできるがんを「子宮体がん」といいますが、子宮内膜から発生するため、「子宮内膜がん」と呼ばれることもあります。

がん組織の状態により、組織型が「類内膜(るいないまく)がん」「漿液性(しょうえきせい)がん」「明細胞(めいさいぼう)がん」などに分類されます。このうち「類内膜がん」が最も多く、「漿液性がん」と「明細胞がん」は悪性度が高いとされています。

子宮体がんの年間罹患者数は約1.8万人。閉経後の50~60代が発症のピークです。5年相対生存率は81.3%とされています。

子宮体がんに関連する疾患として、「子宮内膜増殖症」があります。このうち、増殖した細胞が正常でない場合を「子宮内膜異型増殖症」といい、すでに子宮体がんになっているケースや、子宮体がんが発生する可能性が高くなることが明らかになっています。

関連ページ:子宮体がんの初期症状とは?検査方法や発症リスクについても解説

子宮頸がん

子宮の入り口である「子宮頸部」にできるがんを「子宮頸がん」といいます。

子宮頸がんの多くは、AIS(上皮内腺がん)やCIN(子宮頸部上皮肉腫瘍)という、がんになる前段階を経てからがんになります。がんの前段階では症状が乏しく、また、膣より奥の筒状の部分にがんができると、発見が遅れる可能性があります。

子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因のひとつとして考えられており、HPV感染者の1割程度が子宮頸がんに至るとされています。

年間罹患者数は約1万人。子宮体がんとは異なり、30代が発症のピークです。5年相対生存率は76.5%とされています。

子宮がんの初期症状

子宮がんの初期症状

子宮がんの初期症状は、子宮体がんと子宮頸がんで異なりますので、それぞれについて解説します。

子宮体がんの初期症状

子宮体がんの代表的な初期症状は不正出血で、子宮体がん患者の約90%にみられます。

おりものに血や膿が混ざり、褐色になることもあります。月経ではない期間や閉経後の出血、更年期、月経不順がある場合、乳がんを患ったことがある場合は注意したほうがよいでしょう。

子宮頸がんの初期症状

子宮頸がんは、がんになる前のAISやCINの時期は特に、初期症状がないとされています。症状が出たときには進行していることが多いがんです。進行してきたときの症状については後述します。

子宮がんが進行してきたときの症状

子宮がんが進行してきたときの症状

ここでは、子宮がんが進行してきたときの症状を、子宮体がんと子宮頸がんに分けて解説します。

子宮体がんが進行してきたときの症状

子宮体がんが進行してくると、下腹部の痛み、性交時の痛み、排尿困難・排尿痛、腹部膨満感などが現れます。下肢の浮腫や排便障害が起こることもあります。

子宮頸がんが進行してきたときの症状

先述したように、子宮頸がんは進行してきてはじめて症状が出てくることが多いです。

代表的な症状は、月経期間以外の不正出血、性交時の出血、おりものの増加(においがあり濃い茶色や膿のようなおりもの、水っぽいおりものなど)が挙げられます。

さらに進行してきてがんが子宮の外に広がっている場合、多量の出血、下腹部の痛み、腰の痛み、血尿・血便などが出ることがあります。

子宮がんの症状について詳しくお知りになりたい方は、こちらからお電話ください。

子宮がんの検査や確定診断

子宮がんの検査や確定診断

ここからは、子宮体がんと子宮頸がんの検査や確定診断の方法について解説します。

子宮体がんの検査

子宮体がんの検査は、子宮内膜の細胞を採取し、がん細胞があるかどうかを調べる細胞診を行います。細胞診で異常があれば、組織を採取して組織型・悪性度を調べ、確定診断を行います。

そのほか、がんの位置や広がりなどを調べるために、内診・直腸診や子宮鏡検査、画像検査などを用いることもあります。

子宮頸がんの検査

子宮頸がんの検査は、まず子宮頸部の細胞を採取してがん細胞があるかどうかを調べる細胞診を行うのが一般的です。細胞診の結果により、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染検査を行うこともあります。

細胞診で異常があれば、「コルポスコープ」という拡大鏡を使ったコルポスコープ下の組織診を行い、がんの分類をします。場合により、子宮頸部の円錐切除術を用いた組織診検査を行うこともあります。

子宮頸がんと診断された場合、がんの広がりなどを確認するために、内診・直腸診、超音波検査、画像検査などを行います。

子宮がんの早期発見・予防のために

子宮がんの早期発見・予防のために

子宮がんは比較的生存率が高いがんとされているため、早期発見できれば治癒する可能性があります。早期発見と予防に役立つ検診などについて解説します。

子宮がん検診

「子宮がん検診」は、「子宮頸がん検診」と「子宮体がん検診」があります。

「子宮頸がん検診」は厚生労働省が推奨している検診で、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(令和3年一部改正)」で方法が定められています。多くの自治体で検診費用を公費負担しており、一部の自己負担で検診を受けることができます。20歳以上の場合、2年に1度検診を受けることが推奨されています。

「子宮体がん検診」は厚生労働省が指針を定めている検診ではありませんが、一部自治体では検診を行っているところもあります。気になる症状がある場合、婦人科を早めに受診するとよいでしょう。

出典:がん検診|厚生労働省

子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)

子宮頸がんは、HPVワクチン接種により、一定の予防が可能と考えられています。

HPVワクチンの接種は、初めての性交渉前に接種することが望ましいとされており、小学校6年生~高校1年生相当の女子を対象に接種が可能です。公費で受けられるワクチンでは、子宮頸がんを起こしやすいHPV16型とHPV18型の予防が期待できます。

ワクチン接種により子宮頸がんの50~70%を防ぐことができるとされていますが、すべてのHPV感染を予防できるわけではありません。ワクチン接種と定期的な検診の受診が推奨されています。

出典:ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~|厚生労働省

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