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肺がんのステージ3とは?ステージ別生存率や検診などについて解説

罹患率や死亡率が高いといわれている肺がん。しかし、早期発見できれば治癒する可能性も見込めます。

本記事では、肺がんのステージ3を中心にステージの詳細解説や、リスク因子などをご紹介。早期発見に役立つ検診などにも触れていますので、参考にしてみてください。

目次

肺がんとは

肺がんとは

肺がんとは、肺胞や気管支の細胞ががん化したものです。ここでは、肺がんの種類や統計について解説します。

肺がんの種類

肺がんは、大きく「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」の2種類(組織型)に分類されます。非小細胞肺がんは、さらに「腺がん(肺腺がん)」「扁平上皮がん」「大細胞がん」に分かれ、半数以上は腺がんです。

ここからは、「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」に分けて解説します。

非小細胞肺がん

非小細胞肺がんの特徴は以下のとおりです。

  • ・腺がん:「肺腺がん」とも呼ばれる。肺野に発生するケースが多い。肺がんのなかでもっとも多い。
  • ・扁平上皮がん:肺門に発生するケースが多いが、近年肺野に発生するケースも増えている。喫煙との関連が大きい。
  • ・大細胞がん:肺野に発生するケースが多い。増殖が速い。

小細胞肺がん

小細胞がんは、肺門・肺野ともに発生します。増殖が速く転移しやすいのが特徴です。喫煙との関連が大きいとされています。

肺がんに関する統計

国立がん研究センターの2019年統計では、国内の肺がんの年間罹患数は約12.6万人。男性の部位別がん罹患数のなかでは4位でした。年齢別の罹患数は、60代から増加傾向となり、特に男性が顕著です。

2020年の肺がんの死亡数は男性が約5.3万人で全がん死亡数のなかで1位、女性は約2.2万人で大腸がんに次いで2位でした。ただし、年齢調整罹患率や死亡率は、減少傾向にあります。

肺がん全体の5年相対生存率は34.9%とされています(生存率の詳細については後述します)。

出典:
がん種別統計情報 肺|国立研究開発法人 国立がん研究センター
年次推移|国立研究開発法人 国立がん研究センター

肺がんのステージと生存率

肺がんのステージと生存率

肺がんのステージは、0期(ステージ0・早期)~IV期(ステージ4)に分けられます。ここでは、肺がんのステージとステージ別の5年生存率について解説します。

肺がんのTNM分類とステージ(病期)について

肺がんのステージは、国際的な分類方法である以下のTNM分類の組み合わせにより決められます。

  • ・T:原発巣のがん(腫瘍そのもの)の大きさや広がりの程度
  • ・N:所属リンパ節(胸腔内や鎖骨の上あたりのリンパ節)への転移の有無
  • ・M:がんができた場所から離れた臓器やリンパ節への転移の有無

肺がんのT分類(原発巣のがんの大きさや広がりの程度)

Tis 上皮内がん、肺野に腫瘍がある場合は充実成分(※1)の大きさが0cm、かつがんの大きさ(※2)が3cm以下
T1 充実成分の大きさが3cm以下、かつ肺または臓側胸膜におおわれ、葉気管支(それぞれの肺葉に入る気管支)より中枢への浸潤が気管支鏡上認められない(すなわち主気管支に及んでいない)
T1mi 微少浸潤性腺がんで充実成分の大きさが0.5cm以下、かつがんの大きさが3cm以下
T1a 充実成分の大きさが1cm以下で、TisやT1miには相当しない
T1b 充実成分の大きさが1cmを超え2cm以下
T1c 充実成分の大きさが2cmを超え3cm以下
T2 充実成分の大きさが3cmを超え5cm以下
または、充実成分の大きさが3cm以下でも以下のいずれかであるもの

  • ・主気管支に及ぶが気管分岐部には及ばない
  • ・臓側胸膜に浸潤がある
  • ・肺門まで連続する部分的または片側全体の無気肺か閉塞性肺炎がある
T2a 充実成分の大きさが3cmを超え4cm以下
T2b 充実成分の大きさが4cmを超え5cm以下
T3 充実成分の大きさが5cmを超え7cm以下
または、充実成分の大きさが5cm以下でも以下のいずれかであるもの

  • ・臓側胸膜、胸壁、横隔神経、心膜のいずれかに直接浸潤がある
  • ・同一の肺葉内で離れたところに腫瘍がある
T4 充実成分の大きさが7cmを超える
または、大きさを問わず横隔膜、縦隔、心臓、大血管、気管、反回神経、食道、椎体、気管分岐部への浸潤がある
または、同側の異なった肺葉内で離れたところに腫瘍がある

※1「充実成分」:CT検査などによってがん内部の肺血管の形がわからない程度の高い吸収値を示す部分のこと。これに対し、がん内部の肺血管の形がわかる程度の淡い吸収値を示す部分を「すりガラス成分」という。
※2「がんの大きさ」:充実成分およびすりガラス成分を含めた腫瘍全体の最大径のこと。

出典:肺がん|国立がん研究センター がん情報サービス

肺がんのN分類(所属リンパ節への転移の有無)・M分類(遠隔転移の有無)

N0 所属リンパ節(※1)への転移がない
N1 同側の(※2)気管支周囲かつ/または同側肺門、肺内リンパ節への転移で原発腫瘍の直接浸潤を含める
N2 同側縦隔かつ/または気管分岐下リンパ節への転移がある
N3 対側(※3)縦隔、対側肺門、同側あるいは対側の鎖骨の上あたりにあるリンパ節への転移がある
M0 遠隔転移がない
M1 遠隔転移がある
M1a 対側肺内の離れたところに腫瘍がある、胸膜または心膜への転移、悪性胸水(※4)がある、悪性心嚢水(※5)がある
M1b 肺以外の1つの臓器に1つだけ転移がある
M1c 肺以外の1つの臓器または複数の臓器への複数の転移がある

※1:肺がんの所属リンパ節は、胸腔内や鎖骨の上あたりにある
※2:がんがある肺と同じ側
※3:がんがある肺と反対側
※4:がんを原因として肺の周りに水がたまること
※5:がんを原因として心臓の周りに水がたまること

出典:肺がん|国立がん研究センター がん情報サービス

肺がんのステージ(病期分類)

N0 N1 N2 N3 M1a M1b M1c
Tis 0
T1mi IA1
T1a IIB IIIA IIIB IVA IVB
T1b IA2
T1c IA3
T2a IB
T2b IIA
T3 IIB IIIA IIIB IIIC
T4 IIIA

出典:肺がん|国立がん研究センター がん情報サービス

肺がんのステージ0

肺がんのステージ0は早期といわれ、5年生存率は97%とされています。

肺がんのステージ1

肺がんのステージ1も早期といえます。早期では症状が出にくいですが、咳や痰が続くことがあります。

ステージ1の5年相対生存率は83.3%とされています。

肺がんのステージ2

肺がんのステージ2は早期~進行の間の状態とされ、所属リンパ節への転移がみられることもあります。進行してくると、慢性的な咳や痰に加え、血痰や胸の痛みなどが生じることがあります。

ステージ2の5年相対生存率は52.7%とされています。

肺がんのステージ3

肺がんのステージ3は進行がんといえます。腫瘍そのものが大きくなり、所属リンパ節への転移や浸潤がみられるケースが多いです。症状としては、慢性的な咳や痰、血痰などに加え、胸部から腕にかけた痛み、嗄声症状が現れることがあります。

ステージ3の5年相対生存率は28.3%とされています。

肺がんのステージ4

肺がんのステージ4は、もっとも進行しているステージとなり、遠隔転移がある場合はステージ4と診断されます。症状としてはステージ3の症状に加え、喘鳴、呼吸困難、骨転移に伴う疼痛、脳転移による痙攣などが出ることがあります。

ステージ4の5年相対生存率は7.1%とされています。

肺がんのステージについて詳しくお知りになりたい方は、こちらからお電話ください。

肺がんのリスク因子

肺がんのリスク因子

肺がんのリスク因子として知られているのは喫煙です。禁煙して10年後には、肺がんのリスクを約半分に減らせるといわれています。

そのほか、家族歴も関わる可能性があります。家族に肺がんにかかった人がいる場合、男性で1.7倍、女性で2.7倍、肺がんのリスクが高くなるといわれています。特に扁平上皮がんで顕著です。

家族歴について、はっきりとした理由は解明されていませんが、遺伝的要因や環境的要因が考えられます。

肺がんの早期発見を目指すために

肺がんの早期発見を目指すために

先述のとおり、肺がんのステージ4の5年相対生存率が7.1%であるのに対し、ステージ0は97%とされていて、ステージ1でも83.3%といわれています。よって、早期発見できれば治癒する可能性が高いと見込まれます。

肺がん検診は厚生労働省が推奨している検診で、ほとんどの自治体で無償または一部の自己負担で受けられます。そのほか、保険適用外ではありますが、がんの超早期発見や予防を目的とした遺伝子検査もあります。

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