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大腸ポリープはなぜできる?原因や大腸がんとの関係についても解説

大腸がん検診などで見つかることのある大腸ポリープ。本記事では、「大腸ポリープってなぜできるの?」「大腸がんと関係あるの?」などの疑問にお答えします。大腸がんも交え、検査方法や予防、早期発見のポイントなどについても解説しますので、参考にしてみてください。

目次

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは

そもそも「ポリープ」とは、病名ではなく「皮膚・粘膜などの面から突出し、茎をもつ卵球状の腫瘤」の総称です。大腸ポリープは大腸にできる球状の突起物で、腫瘍性のポリープと非腫瘍性のポリープに大別されますので、それぞれについて解説します。

出典:大腸ポリープとはどんな病気ですか?|一般社団法人 日本消化器内視鏡学会

腫瘍性ポリープ

大腸ポリープの場合、がん化する可能性のある「腫瘍性ポリープ」が多くみられます。なかでも「腺腫」は、大きくなるにつれて全体ががん化していくという特徴があります。大きな腫瘍性ポリープは、全体がすでにがん化している可能性も考えられます。

後述しますが、大腸内に100個以上の「腺腫」ができる、家族性大腸腺腫症という病気もあります。

非腫瘍性ポリープ

非腫瘍性ポリープには、「炎症性ポリープ」「過形成性ポリープ」「過誤腫性ポリープ」などがあります。このうち「過形成性ポリープ」は、がん化する可能性があるといわれています。

直腸やS状結腸にできた5mm以下のものは、がん化する可能性が少ないと考えられていますが、右側結腸にできた10mm以上のものは、がん化しているポリープ(SSA/P)と区別がつきにくいという特徴もあります。

また、「過形成性ポリープ」にはのこぎりの歯のような構造をもつものがあり、それらは「鋸歯状腺腫」と呼ばれ、がん化する可能性があるとされています。

大腸ポリープはなぜできる?

大腸ポリープはなぜできる?

大腸ポリープはなぜできるのか、考えられる原因について解説します。大腸がんについても同様のリスク因子が考えられますので、あわせて解説します。

大腸ポリープができる原因は、遺伝子の異常が一因と考えられています。そこに、年齢や生活習慣などの外的な要因が加わることで、がんに進展しやすくなるとされています。

原因1:生活習慣や食事など

大腸ポリープや大腸がんのリスク因子として挙げられるのは、生活習慣や食事の内容等の外的要因がひとつです。具体的には、

  • ・過度の飲酒や喫煙
  • ・肥満
  • ・加工肉や赤身の肉の過剰摂取(特に女性)
  • ・50歳以上の年齢

などが原因と考えられています。

原因2:遺伝的要因

大腸ポリープや大腸がんができる原因として、家族歴などの遺伝的要因も挙げられます。

遺伝的リスクのある大腸関連の疾患には、生まれつき遺伝子に変異をもつことが要因とされる、「家族性大腸腺腫症」や「リンチ症候群」などがあります。このうち「家族性大腸腺腫症」は、若い時期から大腸ポリープができ、年齢とともに100個以上に増大する疾患です。典型例としては、10代からポリープができはじめ、40代までに半数、60代までにほぼ100%が大腸がんになるとされています。

両親のどちらかが家族性大腸腺腫症である場合、50%の確率で子供に遺伝するといわれています。

大腸ポリープと大腸がんの関係

大腸ポリープと大腸がんの関係

先述したように、大腸ポリープと大腸がんの関係は密接です。

大腸ポリープのほとんどが「腫瘍性」で、なかでもがん化する可能性が高い「腺腫」が見つかるケースが多くなっています。また、大腸ポリープの発見時に、すでにがん化しているケースもあります。

さらに、非腫瘍性ポリープでも、過形成性ポリープの一部や鋸歯状病変をもつものも前がん病変とされ、がん化する可能性があります。その他、潰瘍性大腸炎やクローン病などがある場合、大腸がんになる可能性が高いとも指摘されています。

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大腸ポリープの症状

大腸ポリープの症状

大腸ポリープは、小さいうちは無症状であることが多いです。

自覚症状として挙げられるのは、血便・粘液のついた便・腸閉塞・貧血・ポリープが肛門から飛び出す、などで、まれに腹部に痛みが出ることがあります。

自覚症状に乏しいため、健康診断や定期健診の便潜血検査で見つかるケースも多くみられます。

大腸ポリープの検査

大腸ポリープの検査

ここでは、大腸ポリープを発見するための検査や、大腸がんかどうかを調べるための主要な検査について解説します。

便潜血検査

便潜血検査は、大腸ポリープの簡便な検査方法で、一般的な大腸がん検診にも用いられます。一般的には2日分の便を採取し、便の中に血が混じっていないかどうかを調べます。

便潜血検査では、進行がんで90%前後、早期がんで約50%、腺腫などのポリープは約30%が陽性になるとされ、腺腫に対しての精度はあまり高くないといわれています。また、痔や腸の炎症などでも陽性になることがあります。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

大腸内視鏡検査は、ポリープの発見においてもっとも精度が高いと考えられている検査です。肛門から内視鏡を挿入し、盲腸・小腸・直腸を直接みていきます。小さなポリープや、ポリープの種類・深さ、血管の状態なども調べることができます。

病変が見つかった場合はそのまま切除して病理診断を行い、大腸がんかどうかを調べることもあります。

大腸ポリープの予防や早期発見

大腸ポリープの予防や早期発見

最後に、大腸ポリープや大腸がんの予防・早期発見のポイントについて解説します。

大腸ポリープ・大腸がんの予防

大腸ポリープや大腸がんのリスク因子のうち、生活習慣や食事の面では予防できることがあります。

肥満がリスク因子のひとつとされており、適度な運動習慣が効果的であることは確実といわれています。また、食生活の見直しとして、節酒・禁煙・加工肉や赤身肉を控えるといったことのほか、食物繊維やカルシウムの摂取も予防に効果的である可能性があると指摘されています。

その他、がん全般の予防として、禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形の維持、感染予防が有効であることが明らかになっています。

大腸ポリープ・大腸がんの早期発見

大腸ポリープは、切除することにより大腸がん発生のリスクが減少するという研究結果もあり、早期発見が重要視されています。

大腸がん検診は国が推奨するがん検診のひとつで、40歳以上の男女を対象に、無償または一部の自己負担で受診できます。検査方法は問診と便潜血検査です。要精密検査となった場合は大腸内視鏡検査などが行われるため、精密検査の受診が推奨されます。また、定期的な検診の受診も推奨されています。

家族に大腸がんにかかった人がいる場合など、がんにかかりやすいかどうかを調べるための遺伝子検査もあります。

関連ページ:
遺伝子検査|GENEクリニック
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大腸がんの末期症状とは?検査方法や術後の療養・生存率について
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