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大腸ポリープの症状は?大腸がんとの関係や必要な検査、予防などについて解説

大腸ポリープは、自覚できる症状がないことが多い疾患です。そのため、何も症状がないのに、検診などでポリープが見つかった、というケースも多々あります。しかし、症状が出るケースもありますので、本記事で詳しく解説します。大腸がんとの関係や、検査・予防などについても触れていますので、参考にしてみてください。

目次

大腸ポリープの症状

大腸ポリープの症状

大腸ポリープは、ほとんどの場合自覚症状がありません。ポリープが大きくなったり、がん化していたりすると症状が出ることがあります。自覚できる症状が出る場合、以下のようなものが挙げられます。

血便・粘液便

肛門の付近にポリープができた場合など、便が通過する際に擦れて出血し、血が混じった便が出ることがあります。また、粘液のようなものが付着した便が出るケースもあります。

腹痛

とくに腹部の手術経験がある場合は、腹痛が起こりやすいとされています。

腹部の不快感

腹部の膨満感や、下痢・便秘が続くなど、おなかの調子が悪くなったり不快感が現れたりすることがあります。便が細くなるなどの症状も考えられます。

腸閉塞など

ポリープが大きくなって大腸を塞いでしまうと、腸閉塞が起こることがあります。また、まれにポリープが肛門から飛び出すなどの症状が出ることもあります。

その他の症状

その他、出血による貧血や、ポリープにより栄養の消化・吸収に問題が起こり体重減少がみられることも、症状のひとつとして挙げられます。

大腸ポリープの種類

大腸ポリープの種類

大腸ポリープは、腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに分けられます。

腫瘍性ポリープは、さらに悪性腫瘍(がん)と良性腫瘍(腺腫)に分類され、非腫瘍性ポリープは、炎症性ポリープや過形成性ポリープ、過誤腫性ポリープなどに分類されます。

大腸ポリープの種類については、ポリープの切除や検査などで診断されます。

大腸ポリープが大腸がんになる可能性

大腸ポリープが大腸がんになる可能性

大腸ポリープは大腸がんになる可能性があります。

悪性腫瘍はすでにがん化しているもので、その他のケースでは、良性腫瘍(腺腫)が悪性化してがんになる場合と、非腫瘍性ポリープが腫瘍化してがんになる場合、ポリープの状態を経ずにがんになる場合などがあります。このなかで、良性腫瘍が悪性化してがんになるケースが多いと考えられています。

大腸ポリープ切除によりがん罹患率が減少

米国の研究においては、大腸ポリープ切除により76~90%の大腸がん累積罹患率の減少がみられた、という研究結果があります。さらに、大腸がん死亡率も約50%減少したという結果も明らかになっています。

切除の方法や適切なタイミングなどについては個々の患者により異なるため、医師の総合的な判断が必要です。

出典:大腸内視鏡検査後のサーベイランス間隔|日本消化器内視鏡学会雑誌

関連ページ:大腸ポリープは切除すべき?大腸がんになる可能性や原因などについて解説

大腸ポリープの検査や診断

大腸ポリープの検査や診断

大腸ポリープの発見や診断には、検査が必要です。ここでは、主な検査の詳細について解説します。

便潜血検査

便潜血検査(いわゆる検便)は、大腸ポリープの発見において簡便な検査とされ、大腸がん検診でも用いられます。

一般的には2日間の便を採取し、いずれかが陽性と判定された場合には、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行います。

便潜血検査では、進行がんで90%以上、早期がんで50%以上、大腸ポリープは約30%を見つけることができるとされています。ただし、痔などほかの疾患での出血でも陽性と判定される場合もあります。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

大腸内視鏡検査は、便潜血検査での陽性のほか、大腸がんの家族歴や血便などの症状により行われることがあります。

肛門から内視鏡を直接入れるため、ポリープの形・大きさ、血管の模様などをみることができる検査です。病変の状態次第では、そのまま切除することもあります。

がん化しているかどうかを判断するためには、ポリープに青色の色素を散布する「色素内視鏡検査」を用いて診断します。

気になる症状がある方や検査についてお知りになりたい方は、こちらからお電話ください。

大腸ポリープや大腸がんの原因

大腸ポリープや大腸がんの原因

大腸ポリープや大腸がんの原因、リスク因子について解説します。

原因1:遺伝的要因

親子やきょうだいなどの血縁関係者に、大腸ポリープや大腸がんに罹ったことがある人がいる場合、大腸がんになるリスクが高まります。

生まれつき遺伝子に変異をもつことが要因とされる、「家族性大腸腺腫症」や「リンチ症候群」というものもあります。このうち「家族性大腸腺腫症」は、若い時期から大腸ポリープができ、年齢とともに100個以上に増大する疾患です。典型例としては、10代からポリープができはじめ、40代までに半数、60代までにほぼ100%が大腸がんになるとされています。

両親のどちらかが家族性大腸腺腫症である場合、50%の確率で子供に遺伝することが、研究結果で明らかになっています。

原因2:生活習慣

生活習慣や食事の面でも、大腸がんのリスク因子が指摘されています。過度の飲酒、赤身肉・加工肉の過剰摂取、高度の肥満、喫煙は、大腸がんの罹患リスクが高まることが確実視されています。

関連ページ:
大腸ポリープはなぜできる?原因や大腸がんとの関係についても解説
がんは遺伝する?遺伝するがんや遺伝子検査などについて解説

大腸ポリープや大腸がんの予防

大腸ポリープや大腸がんの予防

最後に、大腸ポリープや大腸がんの予防について解説します。すべての大腸ポリープや大腸がんを予防できる方法はありませんが、発生要因などを知ることにより予防につなげられることもあります。

大腸がん検診や遺伝子検査

大腸がん検診は、大腸ポリープの早期発見や大腸がんの予防に役立つとされています。

国が推奨するがん検診のひとつで、ほとんどの自治体で無償または一部の自己負担で受診できます。とくに、大腸ポリープは自覚症状に乏しいため、定期的な検診の受診が予防や早期発見に効果的といえるでしょう。

また、保険適用外の遺伝子検査もあり、こちらはがんの超早期発見や予防を目的とした検査です。

関連ページ:遺伝子検査|GENEクリニック

生活習慣や食生活の見直し

前項のリスク因子として明らかになっていることを避け、節酒、赤身肉・加工肉を摂りすぎない、禁煙などを心がけることが、大腸ポリープや大腸がんの予防に繋がります。

肥満も大腸がんのリスク因子として挙げられており、適度な運動習慣も予防に効果があるとされています。その他、食物繊維や野菜を多めに摂ることなども、大腸がんの罹患リスクを下げられる可能性があると考えられています。

大腸ポリープの切除

こちらも先述しましたが、大腸ポリープの切除も、大腸がんの予防に効果があるとされています。

一般的には「6mm以上の良性ポリープ」などが切除対象とされますが、切除の方法や適切なタイミングなどについては個々の患者により異なるため、医師の総合的な判断が必要です。

大腸ポリープや大腸がんについて詳しくお知りになりたい方は、こちらからお電話ください。

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