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肺がんの余命や生存率は?原因や予防についても解説

日本人男性の部位別がん死亡数がもっとも多いとされている肺がん。診断と同時に余命宣告されるケースも少なくありません。本記事では、肺がんの余命や生存率、早期発見のポイントなどについて解説します。余命宣告された場合の対処方法や療養についても触れていますので、参考にしてみてください。

目次

肺がんの余命と統計

肺がんの余命と統計

2019年の統計では、日本で肺がんに罹患した人は約12万人。男性約8万人に対し、女性はその半数の約4万人でした。男性のほうに罹患数が多いのは、喫煙率が高いことに起因しています。

男性では、部位別がん罹患数で第4位。部位別がん死亡数では1位で、2位の胃がんの約2倍の数値です。年齢別では、60代以上の罹患率が高いことがわかっています。

がんの余命の指標として、生存率があります。肺がん全体の5年相対生存率は、34.9%とされています。

※「生存率」はあくまで統計であり、患者ひとりひとりの余命を決定づけるものではありません。.9%とされています。

出典:がん種別統計情報 肺|国立研究開発法人 国立がん研究センター

肺がんの種類

肺がんの種類

肺がんは、気管支や肺胞の細胞ががん化するものです。

肺がんの種類(組織型)は、大きく分けて「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」の2種類となります。さらに、非小細胞肺がんは「腺がん」「扁平上皮がん」「大細胞がん」に分けられ、このうち「腺がん」が肺がんの半数以上を占めています。

気になる症状がある方や検査についてお知りになりたい方は、こちらからお電話ください。

肺がんのステージと生存率

肺がんのステージと生存率

ここでは、肺がんのステージと生存率について解説します。

肺がんのステージ

肺がんのステージは、0期~IV期に分類されます。数字が進むにつれ、進行したがんということを示しています。

ステージを決める際は、以下のTNM分類が用いられます。

  • T:原発巣のがん(腫瘍そのもの)の大きさや広がりの程度
  • N:所属リンパ節(胸腔内や鎖骨の上あたりのリンパ節)への転移の有無
  • M:がんができた場所から離れた臓器やリンパ節への転移の有無

肺がんのステージの詳細については以下のページで解説していますので、参考にしてみてください。

関連ページ:肺がんのステージ3とは?ステージ別生存率や検診などについて解説

肺がんの生存率

余命の指標のひとつとして、生存率(ネット・サバイバル)が挙げられます。あくまで目安ではありますが、肺がんのステージI~IVのネット・サバイバルを紹介します。

ステージ(病期) ネット・サバイバル
I 81.9%
II 51.7%
III 29.3%
IV 8.6%

※ネット・サバイバル:
純粋に「がんのみが死因となる状況」を仮定して生存率を計算する方法で、国際的にも広く採用されている計算方法

ステージIのネット・サバイバルが81.9%であることに対し、ステージIVでは8.6%と、かなり低い数値であることがわかります。

出典:肺がん 2015年5年生存率|国立研究開発法人 国立がん研究センター

肺がんの原因

肺がんの原因

肺がんの原因として主なものは喫煙です。非喫煙者と比べ、男性で4.4倍、女性で2.8倍肺がんに罹りやすくなるという研究結果があります。また、喫煙を始めた年齢が若かったり、喫煙量が多かったりするほど、リスクが高まるとされています。

とくに、日本人男性の肺がんの40%ほどを占める扁平上皮がんは、喫煙との関連が強いと考えられています。

受動喫煙も、肺がんに罹るリスクが20~30%高くなるとされています。

その他、発がん性のある化学物質(アスベスト等)への曝露、慢性閉塞性肺疾患(COPD)なども肺がん発生のリスクを高めるといわれています。

肺がんの再発・転移

肺がんの再発・転移

肺以外の臓器にがんが現れることを「転移」といいます。

「再発」は、治療によって見えなくなったがんが再び現れることをいい、もともとがんがあった場所やその近くに再発するのが「局所再発」、それ以外の場所に再発するのが「転移性再発」です。

肺がんは、骨や脳に転移しやすいといわれています。その他、反対側の肺、縦隔・肺門のリンパ節、脊椎、肝臓、副腎などにも転移しやすいとされています。

治療後、5年を目安に定期的な経過観察を受けることが必要です。定期的に経過観察することで、再発や転移を早期発見できる可能性が高くなります。

肺がんについて詳しくお知りになりたい方は、こちらからお電話ください。

肺がんで余命宣告されたら

肺がんで余命宣告されたら

先述のとおり、肺がんのステージIVのネット・サバイバル(5年相対生存率)は8.6%とされています。ステージIが81.9%であるのに対し、高い数値とはいえません。

肺がんの発見時や術後にステージIVであることが分かった場合、その時点で余命宣告されるケースも少なくないでしょう。

ここでは、ご自身や家族が余命宣告された場合にどのようにすべきか、また術後の療養などについて解説します。

余命宣告されたら

余命宣告された場合、患者の意思を尊重するのが望ましいでしょう。患者本人の気持ちを理解するよう努め、寄り添うことが必要です。

一方で、家族も看病や療養生活で疲弊してしまうことがあるため、家族の皆さん自身も自分を大切にすることを考えましょう。

がんに関する悩みごとや困りごとの相談窓口もありますので、ご紹介します。

出典:「がん相談支援センター」とは|国立研究開発法人 国立がん研究センター

肺がんの手術・治療後の療養

肺がんと診断された場合、まず禁煙することが大切です。喫煙は予後の悪化や合併症発症、治療効果の減少の可能性があります。また、禁煙できない場合は手術できなくなることもあります。

手術後は、急な運動をすると息切れする可能性があるため、軽い運動からはじめると良いでしょう。肺気腫など肺全体におよぶ病気がある場合は、肺炎の危険性が高くなりますので注意が必要です。

医師と相談しながら、症状の緩和や体調回復に努めることを推奨します。

肺がんの予防・早期発見のポイント

肺がんの予防・早期発見のポイント

生存率からもわかるように、肺がんは予防や早期発見が大切です。そのためにできることを解説します。

肺がんの予防

肺がんの予防のためには、まず禁煙することです。原因の項目でも解説したとおり、喫煙は肺がんのリスクを高めます。

禁煙してから10年で、肺がんの罹患リスクが半減するという研究結果もあり、禁煙してからの年数が経つほどリスクが低くなる傾向があります。

その他、がん全般の予防として、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形の維持、感染予防などが効果的であるとされています。

肺がんの早期発見

肺がんの早期発見のためには、定期的に検診を受けることが重要です。

肺がん検診は国が推奨するがん検診のひとつで、ほとんどの自治体で無償または一部の自己負担で受診できます。検査結果が「要精密検査」となった場合、早期に精密検査を受けることも大切です。

また、有償の検査としては、がんにかかりやすいかどうかや、がんの超早期発見を目的とした遺伝子検査もあります。

関連ページ:
遺伝子検査|GENEクリニック
肺がんの初期はどのような状態?症状や検査、早期発見のポイントを解説
肺がんの咳の特徴とは?そのほかの症状や検査についても解説

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